「日本一のみかんの里」プロジェクトのこれまでの取組のポイント

1.農業従事者による「みかんブランド」イベント実施
2.観光協会による「三ヶ日花火大会」イベント実施
3.商工業事業による「みかん商品」の開発と販売
4.専門家によるワークショップの開催
5.地元農商工業者によるインナー会議の実施

取組概要および実績

農業従事者による「三ヶ日みかんブランド」イベント実施
●JAと農家が主導となって行う「みかんブランド」イベントの実施
「三ヶ日みかん」を主軸にみかん産地としてPRを図ったイベントをみかんの収穫ピークを終えた時期に例年実施している。
収穫時期と重なっているために、農家が携われる時間が非常に難しいこと、生食みかんを中心としての販売促進活動であること、農業従事者の家族への還元的なイベントであることなど、町内向けの自己満足イベントとなっているため、来訪客の参加が非常に少ないことから見直しの時期にきている。

観光協会による「三ヶ日花火大会」イベント実施
●イベントポスター/パンフレットの作成、配布(各イベント・折込・各事業所内)
2、3年前より地元の若者が集まり、定期的に会議を重ね、集客のためのPRを重ねてきたが、イベントの開催前後には多くの出席者によって実施されるが、一夜限りのものであり地域活性にはつながっていない。
PR手段や広報媒体が紙媒体であったり、配布範囲が本地域近郊に限られてしまうところが集客につながらなかった部分もあり、今後見直す必要がある。
全国に広くPRするための手法を整えることが今後の課題でもある。

商工業事業者による「三ヶ日みかん」の商品開発と販売
・みかんの石鹸
・みかんの香水
・みかんのストラップ
本地域の有識者を集めてPR商品の開発を行い町内の観光施設において販売を行ったが、現在も在庫が残っているほど売れなかった。


・三ヶ日牛串焼き
・みかんジュース
本地域の地場物産として、パンフレットと共に約1000食分を販売したところ、すべて完売に至ったが、その後の問い合わせや注文には至っていない。


・みかん餅
・みかんの「かりんとう」
・豚肉のみかん煮
上記は、農家の方が製作した独自性のある「みかん加工品」であるが、個人消費者向けに作られているために商品化には至っていない。


・農業従事者の活動に必要なこと
・観光協会の活動に足りなかったこと
・商工業事業者の活動にできなかったこと
各団体において、イベントや活動に足りないこと・改善するノウハウ・円滑に遂行できる仕組みなど、それぞれの団体が相互で協力し合えば問題点や課題が解決できることが分かった。


・地元住民と一緒に「三位一体」となった活動をしていこう!!
様々な団体が一体となり、地域資源を活かすためには何が必要なのか、地域活性へつなげる手法は何かを学ぶために、専門家を呼ぶことを観光協会へ何度となく働きかけ、ついにワークショップが開催できることになった。

専門家によるワークショップの開催(実績:24時間)
毎月1回のペースで、専門家を講師として迎えて、ワークショップを開催。地域住民への広く募集を行い、職業の垣根を越えた仲間が集まった。
・1回のワークショップ:4時間×6日=24時間

地元農商工業者によるインナー会議の実施(実績:132時間)
本プロジェクトに向けて、広く地元住民から有志を募って、農業者・商業者・工業者・地元住民が集まり、様々な問題点や課題を明確にするために、インナー会議を開催している。
・1回のインナー会議:約4時間×33回=132時間

<活動団体名の決定>
「SM@Pe」:スマッペ
・S:すてき
・M:三ヶ日(みっかび)
・@:発信(コミュニティーツールに使用する記号より)
・Pe:プロジェクト
「“すてき”と思える三ヶ日の地域資源を、全国のみなさんへ発信し、喜びの声を受信することを目的としたチーム」

これまでの取組の成果、反省点、課題など

商品開発とPR
・「みかんブランド」イベントでは、「商品みかん」のみを販売促進していたために、産地の裏の事情として、切り捨てられていたみかん、傷みかんなど「廃棄みかん」が多量に存在していた。この「廃棄みかん」を「消費みかん」にするために必要なことを考えなければならない。
・「花火大会」では、配布パンフレット統一した問合せ環境や注文パンフレット等のツールを整えていなかったため、イベント効果があったのかが把握できなかった。したがって、PR方法と検証方法が今後の課題である。
・過去販売した開発商品には、独自性や新規性に疑問もあり、その部分の強化も課題である。
・埋もれていた農家オリジナルの「みかん加工品」の発見と、個人消費者向けのみでなく、広く全国にPRできる体制を作る必要がある。

ワークショップにて
・ワークショップを重ねることで、参加している地元住民が気づいていなかった地域資源を発見し、広く一般に伝えていなかったことに気付き始めている。
・また、農業者、商業者、工業者、個々の活動ではなく、三位一体となって活動していくことが必要であることを感じ始めているため、自主的なインナー会議の開催を行うに至っている。

インナー会議にて
・農商工業者が一緒にインナー会議をすることで、農業者の問題点、商工業者の問題点をお互いに共有しあい、様々な視点で地域資源を見直すことができ、その議論することで三者の間で理解しあうことができている。