超音波で四角い影

■中日新聞 2012/12/20
中日新聞
終戦後に浜名湖に沈められた幻の戦車探しに取り組む浜松市北区三ヶ日町の町おこし団体「ステキみっかび発信プロジェクト(通称・スマッペ)の湖底調査の2回目が19日、浜名湖北部の猪鼻湖であり、戦車の可能性がある四角い物体が沈んでいるのを確認した。
鉄管で湖底を探った11月の調査よりも高精度の情報を得ようと、市内の建設総合会社の協力で超音波で湖底を調べた。
その結果、前回金属音を確認した地点とは別の新瀬戸橋と瀬戸橋の間の東側湖岸から20mほどの地点で、長さ4.2m、幅2.2mの四角い物体が沈んでいるのを映像で確認した。
調査に立ち会った戦車に詳しい豊橋市のプラモデルメーカー「ファインモールド」社長の鈴木邦宏さん(54)らの話を総合すると、戦後、猪鼻湖には四式中戦車(チト)、九七式中戦車(チハ)、装甲兵員輸送車の3両が沈められたといい、大きさから九七式と推測できるという。
チハが沈んでいるとすれば、スマッペが目標にする希少戦車のチトが存在する可能性も大きく膨らむ。
事務局長の中村健二さん(52)は「期待通り。ピンポイントで潜水する次の調査につなげるためにも必要な作業だった。次回は新年早々にも調査したい」と話した。