「幻の戦車」調査プロジェクトキックオフ
■静岡新聞2012/10/8
浜松市北区三ケ日町で進む「猪鼻湖に眠る『幻の戦車』調査プロジェクト」のキックオフ会議が7日、町内のホテルで開かれた。市の関係者や戦争遺産に詳しい協力者ら約20人が初めて集結。戦車に関する事前情報や今後の調査・活動方針などを話し合った。
調査主体のまちおこし団体「スマッペ」の中村健二事務局長は「調査だけでなく、地域の活性化や地元の歴史の伝承などの効果も出したい」と趣旨を説明。湖に沈む「四式中戦車チト」については「陸の戦艦大和とも言われる非常に貴重な戦車」と紹介した。
今後について▽地元住民や専門家に聞いた話、文献情報の精査▽透明度が高くなる冬場の潜水調査▽活動記録の撮影▽年度末のシンポジウム開催―などを計画していることを伝えた。
参加者からは「産業遺産としての普遍的な価値を一般の人にも伝えることが大切」「当時の人々の人間ドラマを探りたい」などの意見が出た。
参加者は、戦車が沈んでいるとされる瀬戸橋周辺も見学。湖底の様子や当時どのように沈められたかなどを想像しながら調査への意欲を高めた。